トラステヴェレ界隈の中心といえば、ここサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場と
そこに面する教会であろう。
ローマで最もふるいキリスト教会のひとつである。キリスト教が正式に宗教として認められてから
建立された最も古い教会ともいわれている。
1700年代の初めのバロックの時代にはポルティコに装飾が施されたものの、
教会の姿は12世紀の建築の様相を今日に伝えているといってよい。
教会の中に入ると、身廊が22本の大理石の柱にはさまれて両側を側廊にはさまれている。
初期キリスト教建築にみられる形である。
これらの22本の柱は古代ローマの遺跡から運んで再利用された。
床のモザイクはよくみられるコズマーティ様式の床であるが、
実際は1870代にコズマーティ様式にならって新たにつくられたものである。
モザイクというとその作者の名については語られないが、
この教会では、中世のローマ派の画家、ピエトロ・カッヴァリーニによる
写実的なモザイクを見ることができる。
後陣の弧を描く壁面にある、聖母の生涯の6場面である。
教会の前のサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場は下町トラステヴェレの憩いの場所。
夜遅くまで若者たちが噴水を背にして囲むように座っている。
入り組んだトラステヴェレを散歩していて、道がわからなくなったら
とりあえずここに戻ってくれば、道が四方につながっている。
中央の噴水は17世紀後期のカルロ・フォンターナの手によるもの。
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の前回廊もフォンターナによるもので、
そのデザインと呼応している。
■サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会 トラステヴェレの聖マリア教会
Basilica di Santa Maria in Trastevere
Piazza Santa Maria in Trastevere
トラム8番 San Francesco a Ripa からSan Francesco a Ripa通りをまっすぐなのでわかりやすい。
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