下町風情が漂うトラステヴェレにもバロックの傑作の一つ、ベルニーニの彫刻「福者ルドヴィーカ・アルベルトーニ」があります。サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会の「エリザベートの法悦」と並んで官能的と表現される大理石彫刻です。
エリザベートの法悦と同じように、福者ルドヴィーカ・アルベルトーニを取り囲むように「観る者」を配することによって、ひとつの彫刻が置かれた空間が舞台装置として完成する、ベルニーニならではの仕掛け。
ここでは、天使の頭のみが福者ルドヴィーカ・アルベルトーニを覗きこんでいます。
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会は、アッシジの聖フランチェスコとして名高い聖フランチェスコが1219年にローマを訪れた際に寄宿していたところから、ここに教会が建立されました。
Onorio Longhiにより建てられ始め、バロック期にしてシンプルなおとなしめの印象のそのファサードは1600年代の後半にMattia de Rossiにより完成されます。
イタリア統一後の王政イタリアの時代には、こちらはベルサィエーリの兵舎であったことから、今日でも右廊の小礼拝堂のひとつに旗が飾られてます。
ローマのベルサィエーリのモニュメントはこちら。
また、入り口入ってすぐ右の小礼拝堂にはシュールレアリズム画家のジョルジョ・デ・キリコが眠っています。
サン・ロレンツォ地区のヴェラーブロ墓地より移されてきました。
教会の裏手方向には、日曜日の午前中にはにぎわうポルタ・ポルテーゼの市の立つ、ポルテーゼ門があります。
また、イタリア合理主義建築に興味があれば、ルイジ・モレッティの「青年の家」が歩いて1分のところに。
トラステヴェレエリアのバロックつながりでステファノ・マデルノの聖チェチーリアの横たわった彫刻はこちらでどうぞ。






サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会
Chiesa di San Francesco a Ripa
Piazza di San Francesco d’Assisi, 88-00153 Roma
トラム No.8で、橋を渡って2つめの停留所下車 Via San Francesco a Ripa通りの突きあたり。
Via San Francesco a Ripaはの反対側の端はトラステヴェレ界隈の中心、
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場。