街はエリアが変わればその歴史もそれぞれであり、街の表情も千差万別。
ローマの歴史的地区はリオーネ(Rione)に分けられており、各々のリオーネの紋章が表しているように
それぞれの歴史により異なった雰囲気を出している。
ここでは、大まかにリオーネをなぞりながら、便宜上エリア分けをしている。
歴史的地区の外、つまりアウレリアヌスの壁の外はローマ数字で行政上の区分けがなされているが、
ここでは、そのエリアの特徴ごとに大まかに分けている。
結果として、中心から伸びる古代の街道に沿っているようだ。
ローマの街
ローマの街にはテヴェレ川が流れており、古代ローマはその左岸に発展した。
古代ローマの中心地はとても狭いエリアで、今日ではローマの街として散歩しているエリアが、
古代ローマよりも古いお隣の都市国家であったりする。
行政の便宜で、4世紀に街の防衛手段として造られたアウレリアヌスの壁に囲まれたエリアを
大きな意味でのローマの中心街としている。
アウレリアヌスの壁の外ではあるが、ローマはヴァチカン市国を包み込んでいる街でもある。
地図上の左上で黄色いラインで囲まれているのがヴァチカン市国。
そぞろ歩きの楽しいエリア、トラステヴェレは“テヴェレ川の向こう”を意味している。
テヴェレ川の中州にはティヴェリーナ島があり、
古代から氾濫を繰り返してきたテヴェレ川は、かなり蛇行しているので
散歩をしていると、ふと気づくとおもわぬ方向に川が現れる感じがすることがある。
川の氾濫により堆積した土が古代ローマ時代の遺跡を覆っているため、
古代の遺跡は今日の道路面より下にある。
どこの街もそうであるが、それぞれの街区が独特の雰囲気を持っており、
この街ではどこそこのエリアが好き、というのがあると思う。
歴史の長いローマでは、今のエリアと古代のエリアを重ね合わせながら散策するというのも
なかなか面白い。
立て札はないけれど、突然現れる石やレンガの塊。
ガイドブックにはない、遺跡に出会う事もしばしば。
街中に突如現れる「ナンダ、コレ?」がその後、ローマの街をもっと知ろうという
きっかけになるかもしれない。
ローマでお気に入りのエリアが見つかりますように、楽しいお散歩を。
Buona passeggiata!
主な観光名所を地図に載せてみましたが、こんなものでは足りない。
オレンジ色の線が“アウレリアヌスの壁”。
すべてが残っているわけではなく、テヴェレ川に建っているわけでもないのだが、
遺跡をもとに、今日のローマ市が行政上の便宜として、
アウレリアヌスの壁としてオフィシャルに決めているラインである。
フィウミチーノ空港をタクシーで利用する際には料金上のメリットがあるので
旅行者も大まかにその存在を知っているとよい。
お散歩INDEX
コロッセオのみならず、多神教からキリスト教へ チェリオの丘とサン・ジョヴァンニ界隈
美しいルネッサンスと職人が共存するエリア カンポ・ディ・フィオーリ界隈
ローマの台所そしてASローマ発祥の地 テスタッチョと近代化を支えてきたオスティエンセ界隈