タイトルどうなのであろう、「愛欲のローマ史」

カエサルは妻に愛をささやいたか、という帯につられて手に取ってみた本。
タイトルがなんとなく、であったが、とりあえず読んでみた。
よい具合に節で区切りがついて時間をたっぷりとらずとも読むことができた。
古代ローマを語るにはついてまわる、ギリシャの哲学にも時折触れつつ、
著者は歴史家であるが、史実のみを追った展開ではいところが興味深い。
専門家にありがちな専門用語を並べ立てた書き方ではないので
元は二つの論文というが、ちょっとトリビア的な話題にもなりそうである。
最近、ふとしたことからセネカの話題が友人と挙がったのもあり、
この本を読んだらセネカの人生の短さについてとかを読み返したくなった。
でも、読まれるの待ちリストの本が棚で待っているのでそちらへ。
薄くて軽い本であるから、かばんに忍ばせておいて、コーヒータイム
で少しずつ読み返すのもよいかもしれない。
古代ローマもやることやりつくして飽和状態で、文化も宗教も国も崩壊したわけであるが
少なくとも資本主義に席巻された場所って、今、飽和状態な気がするのは私だけか。
著者は歴史家の本村凌二氏。
あとがきでわかったのは愛欲のローマ史というタイトルに違和感を感じていたのは
自分だけではなかったこと。