古代からルネッサンスまでの水道が並走する水道橋公園

古代ローマといえば、いろいろな物が思い浮かびますが、そのうちのひとつに優れた土木技術によるインフラがあります。
その技術は、いまだ全容が解明されていないエトルリア人によるものとされています。

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旧アッピア街道をはじめ、各方面にまっすぐ伸びる街道も古代ローマ人の成し得たインフラ事業です。
もう一つ、文明には欠かせない「水」を供給した水道も彼らの成した大事業です。
観光エリアの中心のローマの歴史地区周辺でもところどころ、断片的な水道橋を見ることができますが、テルミニ駅から20分ほどメトロA線に揺られると、そこには広大な敷地に水道橋が残る公園が広がります。
天気のよい日は遠くにカステッリ・ロマーニを望むことができ、クラクション賑やかな喧騒ローマを忘れてしまいそうになります。
数年前1はバラックが点在していて、見通しも悪く夕方は不安でしたが、近年では草も刈られ、バラックも取壊されて、見渡しのよい遺跡公園になっています。

この公園には7つのローマ水道が走っています。それぞれ遺構の残り方に差はありますが、ローマに水をひくための通り道であったようです。
7つのうち3つの水道は既存の水道橋を利用している複数階建ての形をしているので、水道橋がひしめき合っているようには見えませんが水道橋が並走しています。
アーチが連続した状態で残っているのは、公園内で最古の橋の形をした水道マルキア水道、皇帝クラウディウスが完成させたクラウディウス水道、そして教皇の水道と呼ばれるフェリクス水道の3本が並走しています。

マルキア水道橋とクラウディウス水道橋は複数階建ての水道橋です。

 

ローマの歴史地区方面を背に、遠くに見えるカステッリ・ロマーニから水がローマ市街にひかれています。

フェリーチェ水道ことフェリクス水道から出てくる水は飲むことはできませんが冷たくて気持ちがいいです。
実際に古代の水道で4km、21世紀の今日でも現役の箇所があるそうで、驚きです。

こちらの写真のスポットは、メトロの駅から徒歩でいくより、アルケオバス2という古代ローマ遺跡スポットの要所をまわってくれるバスがテルミニ駅よりでていますが、そちらの停留所が近いです。

旧アッピア街道沿いの停留所で降ります。

アルケオバスについてはこちら。

雄大な風景の中で、古代ローマの文明を体感できるところです。

公園内を走る水道

  • マルキア水道 (マルチャ水道)
  • 旧アニオ水道 (旧アニエネ水道)
  • テプラ水道
  • ユリウス水道 (ユリア水道)
  • クラウディウス水道 (クラウディオ水道)
  • 新アニオ水道 (新アニエネ水道)
  • フェリクス水道 (フェリーチェ水道)

水道橋公園
Parco degli Acquedotti
 

古代アッピア街道州立公園の中に含まれます。

メトロA線 Anagnina方面 Lucio Sesito またはGiulio Agricola 駅下車 徒歩5分
アルケオバス Viale Appio Claudio 停留所下車

 

※この記事の内容は掲載時のものであり、現在と異なる場合があります。
初稿 2010年5月25日

 ※夕景もとても美しいですが、ジョギングしている人はいますが、行動には気をつけてください。

 

  1. 2010年時点から ↩︎
  2. アルケオバスは現在は水道橋公園にはいきません ↩︎

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ローマっ子の憩いの場、水道橋公園