カラヴァッジョ巡りには見逃せない教会のひとつ聖アゴスティーノ教会です。ナヴォナ広場から程遠くないところにあります。
他にもラッファエッロの「預言者イザヤ」もあり、また地元の人々にも親しまれている教会です。
地元からの厚い信仰を受けるひとつに、ヤコポ・サンソヴィーノによる聖母子像があり、出産を迎える女性や子どもを授かりたい女性が手を合わせにくるそうです。
ファサードはフィレンツェのサンタ・マリア・デッラ・ノヴェッラ教会を思わせる初期ルネッサンス様式です。
ヤコポ・ダ・ピエトラサンタの設計によるものです。
ローマではこのルネッサンス様式のファサードをもつ教会はめずらしく、材料のトラバーチンはコロッセオから切り出されたものといわれています。古代ローマの遺跡のリサイクル建築です。
さすがに世界文化遺産となった今日ではこのようなことは考えられません。
それにしてもローマという街は、教会にふらりと立ち寄って、このような芸術を拝めることができるのですからすごいことです。 近年、イタリアの各地は教会も有料の傾向になっています。
旅行者でも気に入ったものや思い入れのあるものには喜捨をする、という姿勢が文化遺産を存続してくれるかもしれません。


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初投稿日: 2010年5月31日
聖アゴスティーノ教会
Sant’Agostino
Piazza S.Agostino, Roma
ナヴォナ広場の北側の近くです。