サン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ教会

中世における重要な絵画をローマで見るとしたら、サンティ・クワットロ・コロナーティ教会と、こちらのポルタ・ラティーナの聖ヨハネ教会といえるでしょう。人が行き交うような雰囲気の場所ではないですが、中世の絵画が好きであればぜひ訪れたい教会です。

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絵はピエトロ・カッヴァリーニとその弟子たちの手によるものとされています。 

かつてのラティーナ街道からちょっとしたアプローチがあり、右側にひっそりと建っているのがサン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ教会です。

通りをはさんだ、使徒ヨハネが煮えたぎる油に入れられて迫害を受けたいわれのある場所があり、その場所にちなんで、ヨハネのために4世紀の終わりに建てられた教会です。

迫害の場所には、サン・ジョヴァンニ・イン・オレオ教会が建っています。
その名も「油の中のヨハネ」。

教会の正面は初期キリスト教建築の典型的なポルティコ、前回廊があります。また、三連窓が中世の時代に手を加えられたことを物語っています。
中庭にある井戸の柱はディアナ神殿の柱とされています。

教会の中は決して明るくはありませんが、目が慣れてくると、身廊と側廊がフレスコ画で埋め尽くされていることがわかります。

この一連の物語は、旧約聖書と新約聖書の46場面で、先のピエトロ・カッヴァリーニとその弟子たち、中世ローマ派の画家たちの手によるものとなっています。

ケルビムなど中世の絵画に描かれるモティーフが、ルネサンス期の鮮やかで華やかなフレスコ画とは異なった独特の雰囲気を生み出しています。

身廊と側廊を分つ10本の柱は、寄せ集めのイオニア式の柱。すっきりしたその柱頭で、華美すぎず、おさえられた美しい空間となっています。

 後陣には16−17世紀にフレスコ画が描かれました。

 12世紀に鐘楼が加えられ、現在見られる姿になったそうです。

近くの礼拝堂のサンジョヴァンニ・イン・オレオ礼拝堂の屋根の装飾が置かれています。
どちらがオリジナルかは不明だそうです。フリーズはボッロミーニが手がけているので装飾も、と期待してしまいます。
間近で見ることができます。

 

サン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ教会 ポルタ・ラティーナの聖ヨハネ教会
Basilica di San Givanni a Porta Latina

ポルタ・ラティーナ、ラティーナ門のすぐ近く。

  Via di Porta Latina 17  Roma

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サン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ教会