水の街、ローマ

ローマを散歩していると、トレヴィの泉ナヴォナ広場のような大きな噴水ではなくても、あまたの噴水に出会います。
美しい彫刻が施されたものから、ローマの遺跡を利用した噴水まで、特に真夏は暑いローマを視覚で涼ませてくれています。

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近年のローマのの暑さは厳しく、噴水の水くらいでは治まらないのですが、暑いからといって噴水で泳いだりすると罰金や捕まる可能性もありますのでご注意ください。

ローマの街の美しい噴水たちはその多くがルネッサンスやバロックの時代に生まれていますが、水が豊富であるのは古代ローマ時代まで遡ります。
ローマの皇帝たちは、北はブラッチャーノ湖、南はカステッリ・ロマーニから水道を引き、水道橋をつくってローマの街に水を引いてきました。
その水道のローマの街の終点がトレヴィの泉やモーゼの泉に見られる装飾、モストラです。
ローマの街の水の豊富さは古代人の偉業の恩恵を受けているというわけです。
古代ローマ時代の水道が現在でも4キロほど生きています。

古代から生き続けている水道はこちら

また、ローマの街中にはnazoni(ナゾーニ)と呼ばれる水飲み場がたくさんあります。

naso(ナーゾ)はイタリア語で鼻。それが大きいものを表す拡大辞-oneがさらに複数形になってnasoni。
象の鼻のような形をしているからでしょうか。
水栓などありません。流し放しの状態です。本当にローマという街が水に恵まれている証です。
ナゾーニからでる水は普通に飲むことができます。
飲むコツは、下向きに流れる水を指でおさます。すると曲がったところの穴から水が上向きにでてくるので、そこから飲みます。
かなり冷たいので歯にキーンと沁みるかもしれません。
また、この蛇口のデザインもさまざまで、普通の蛇口のようなものから、ローマらしく狼が口から水を出すものなどいろいろあります。

お気に入りの噴水、蛇口を探してみて下さい。

歴史的地区では美しい噴水の数々を、ローマの南では広大な水道橋公園を楽しむことができます。

遺構としての水にまつわるインフラから、豊富な水を吐き出してくれる水道までが広大な公園のなかに残されています。


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