国立絵画館としても知られるバルベリーニ家の宮殿は建物も絵画も見どころが多い。
蜂の紋章とバロックの巨匠ベルニーニのパトロンとしても知られるバルベリーニ家のマフェイ・バルベリーニが教皇ウルバヌス8世となったときに計画された建物である。
今でこそ大統領府がある重要なエリアとなったクィリナーレの丘界隈であるが、1600年代の初め、この辺りはローマの街のはずれでしかなかったのである。
依頼された建築家カルロ・マデルノは庭園を囲むように翼のある典型的な田園風ヴィラのデザインを用いた。
1629年のマデルノの死後は、ボッロミーニをアシスタントとしてベルニーニが後を引き継ぐこととなった。
ボッロミーニがアシスタントとはなんともぜいたくなこと。
現在は絵画館への入り口である2階へのアプローチの楕円の階段と宮殿正面の破風がボッロミーニのものとされている。
絵画間へのアプローチである階段は見事であり、ボッロミーニの作品を目の高さを変えて十分に味わうことができる贅沢な空間。
また、その美しいアプローチに導かれてたどりつく空間は、ピエトロ・ダ・コルトーナによるフレスコ画で埋めつくされた大サロン(Glan Salone)で、
その見事な空間に息をのむ。
ここまでは絵画館のチケットがなくても出入りできるところで、ローマという街の文化遺産に対する万人への寛容さがうかがえる。
絵画館に入る前で、すでにバロックの二人の芸術家に圧倒されることになる。
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ボッロミーニファンは、この通りの坂を上りきったVia dei Quirinaleとの辻にある、サン・カルロ・クワットロ・フォンターネ教会は必見。
■ バルベリーニ宮殿 国立絵画館
Palazzo Barberini – Galleria Nazionale
Via delle Quattro Fontane, 13 Roma
メトロ A線 Barberini(バルベリーニ)駅
※この記事の内容は掲載時のものであり、現在と異なる場合があります。
初投稿日: 2010年5月30日