アレクサンドリア図書館

ボッロミニーニサンティーヴォ教会を囲むサピエンツァ大学の旧建物の中に17世紀に作られた美しい図書館があります。
教皇アレクサンデル7世の依頼でフランチェスコ・ボッロミーニが手がけています。アレクサンドリア図書案とは、エジプトの失われたアレクサンドリア図書館への追慕でしょうか。
先にパラッツォの改修を手がけているジャコモ・デッラ・ポルタの空間にボッロミーニが内部の木製の調度を手がけ、細部に彼の意匠が見て取ることができます。
依頼者である教皇の出身がキージ家であるため、調度にキージ家の紋章である6つの丘と八芒星がデザインされています。
美しい天井画はクレメンテ・マイオーリのフレスコ画、宗教の勝利が描かれています。ヴォールトの隅には、学識の高い西方大博士の大聖グレゴリウス、聖ヒエロニムス、聖アンブロジウス、聖アウグスティヌスが描かれています

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1800年代には教皇庁の印刷物の保管場所となりました。図書館の入り口には教皇庁の紋章の彫られた石が置かれています。時が下り、1930年代に大学都市ができ、サピエンツァ大学とともに書物は移り、図書館の拠点も現在のサピエンツァ大学となりました。
現在では企画展示により図書館に入り、展示された貴重な書物を見ることができます。
書架の書物は許可を得た研究者のみ登録制で書物の閲覧、複製が可能となっています。

上階には隠し扉に収められたらせん階段から上るそうです。機会に恵まれたら開いたらせん階段を見てみたいものです。鍵は管理されているため、その場にいた担当者では開けることができないとのことでした。らせん階段の鍵穴や扉の引き手の装飾金具も依頼者の出身家、キージ家の紋章の一部の八芒星があしらわれています。
教皇アレクサンデル7世はローマのバロック期の教皇で、ローマの街に今日に残るいろいろな計画、作品の依頼者です。キージ家の紋章をみたら、もしかするとそれは教皇アレクサンデル7世の依頼によるものかもしれません。

ナヴォナ広場から道をはさんだ一角にあります。サンティーヴォ教会を見ながら左側の2階への階段を上り、回廊の突き当たりすぐ手前に入り口があるので、ナヴォナ広場散策がてらのぞいてみてください。

サピエンツァの複合施設の歴史はこちらからどうぞ。

アレクサンドリア図書館
Biblioteca Alessandrina

Corso del Rinascimento, 40, 00186 Roma

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アレクサンデル図書館