下から見上げると天に向かってそびえ立つように見える教会は、ラテン語の響きが残るサンタ・マリア・イン・アラコエリ、イタリア語で
アラ・チェーリ教会。古代ローマ人にとって重要であったユピテルの神殿がかつてあった場所に建つ教会。その名前も「天空の祭壇」の意味を持つ。確かに下から見上げると、空に向かって突き上げているかのように見える。
ゴシック建築では天に近づかんと、装飾において尖塔を空に向かって突き上げてみた物の、
急峻な階段の上に建たせるとこの効果にはかなわない。
ファサードは至ってシンプルであるが、内部は建立の時期とされる6世紀の中世、ルネッサンス、バロック期までの芸術・装飾が施されたきらびやかな空間となっている。
中世ではピエトロ・カヴァッリーニのフレスコ画、コズマーティ様式の床や祭壇を見ることができる。
ルネッサンスではピントゥリッキオの鮮やかなフレスコ画を見る事ができる。
ラファエロが熱心であった古代モチーフのレリーフ的なフレスコも見ることができる。
また巡礼者はSanto Bambinoの奇跡を信じて参拝する人も多い。
言い伝えではゲッセマネのオリーブの木でできている木像の幼子イエスも
残念なことに1994年に盗難にあってしまった。
それでも人びとは奇跡を信じて参拝する。
教会の前の急な階段、アラ・チェーリの階段から上るのがきつそうであれば、
無理をせずに、カンピドーリオ広場に続くコルドナータ(大階段)が緩やかなので
そちらからアクセスするのがおすすめ。
階段を上って、広場の突き当たり左にローマのシンボルの雌狼像が見えたら
その左に階段があり、階段を上りきったら左に行くと右手に教会脇の扉がある。
有名サッカー選手が式を挙げたこともあり、若者の間では結婚式の教会として
人気の教会のひとつ。
アクセス
ヴェネツィア広場より徒歩3分
ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世記念堂のうしろ
カンピドーリオ広場の雌狼のモニュメントをの脇の階段を上ると、教会前の階段を上らずに
教会脇の扉から入ることができる。
「真実の口」のサンタ・マリア・イン・コスメディン教会も歩いて10分くらいで行くことができる。
時間
9:00〜13:00
15:00〜日没
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