すでにローマの社会に浸透していたキリスト教が、紀元300年代にコンスタンティヌス帝により公認されます。
それまでのキリスト信仰の集会所はそれを信仰してきた貴族の邸宅であったりましたが、
使徒ペテロの墓の上に建物がつくられます。現在のサン・ピエトロ大聖堂があるところです。
この頃建設された教会は、公会堂の平面をとるバジリカ様式のもので、
祭壇のあるアプシスと身廊の境には皇帝たちの凱旋門のようなアーチがあるのが特徴です。
キリスト教会ですが、ローマ帝国の公共建築の影響を受けています。
アヴェンティーノの丘の上に建つ、サンタ・サビーナ聖堂がローマにある初期キリスト教建築の代表的なものです。
サンタ・サビーナ聖堂がたてられた5世紀はゲルマン系民族のローマへの度重なる侵攻により、
ローマは政治的な力はほとんど失っており、475年には西方のローマ帝国、西ローマ帝国が崩壊し、
ローマの栄光は過去のものとなりました。
この時代のみどころは、キリスト教の集会所であったところから教会への変遷がみられる教会、
キリスト教徒の殉教の地などがあります。
この頃にはキリストの両脇にローマの守護聖人ペテロとパウロ、
キリストの象徴として羊飼い、キリスト教徒の象徴として羊がモザイク画、フレスコ画、彫刻などに表現されるようになってきます。
ノメンターナ街道沿いのサンタ・コスタンツァ教会でこの時代のモザイクが見ることができます。