ビザンチン風のモザイクで教会を飾った、チェリオの丘にある教会、サンタ・マリア・イン・ドムニカ教会です。小舟の噴水が見えたら、その前が教会です。教皇パスカリス1世の教会のひとつです。
ドムニカ、というその名前のはっきりとした由来はわからないそうです。説のうち、どちらも神を示す意味のDomnicaではないかとされています。教会の前の小舟の噴水から、小舟の聖マリア教会とも呼ばれます。
教会の起源は7世紀にさかのぼります。目印の小舟は、現在は噴水となっていますが、当時からこの辺りにあった古代ローマ時代の彫刻だそうです。
9世紀の教皇パスカリス1世の時代に、後陣のモザイクがつくられました。聖母マリアに跪く、四角い後光がさしている人物が教皇パスカリス1世とされています。
12人の使徒の他にモーゼと予言者エリアが描かれています。
ルネッサンス期になると、後の教皇レオ10世である、ジョヴァンニ・デ・メディチの命で、アントニオ・サヴィーノが今日の姿の教会のファサードと噴水を手がけ、古代の小舟の彫刻が噴水に生まれ変わりました。
柱の装飾はルネッサンス風ですが、ポルティコを介した教会へのアプローチという平面は、初期キリスト教建築から中世の時代まで使われていた様式です。
その後教会内部の格天井はフェルディナンド・メディチの時代のもので、メディチ家出身の教皇たちの紋章が見られます。
その後、身廊の壁と後陣にフレスコ画が描かれました。
ラッツァーロ・バルディ作です。


聖マリア・ドムニカ教会 小舟の聖マリア教会
Chiesa di Santa Maria in Domnica
Chiesa di Santa Maria alla Navicella
Piazza della Navicella 10, Roma
バス117番 トラム3番
サン・ジョヴァンニとポポロ広場を結ぶ小さな電気バス117番が最寄り
この辺りは、皇帝支配のローマの中で、キリスト教が芽生え、信仰が広まっていった時代を遺跡が伝えてくれる面白いエリアです。
緑が多く建物が点在していますが、お散歩がてらの名所巡りが楽しい。
教会はチェリモンターナ公園の一角にあります。