ラツィオ州の北のヴィテルボは中世へ時間旅行ができる魅力的な街です。すぐ隣りはトスカーナやウンブリア州。行政上はラツィオ州でも気候風土はウンブリア州の山岳都市さながらです。
電車で行くとゆっくりするにはローマから日帰りというわけにはいきませんが、電車に揺られて1時間半ほどで中世の街に到着です。
トゥーシャと呼ばれるこの一帯はエトルリア人が住んでいた場所で、この辺りは温泉あり、白ワインあり、の素敵な一帯。
起点をヴィテルボに移せば、バスを使って小都市に行くことができます。
ヴィテルボは教皇庁と縁のある街です。
ローマの治安、政治的な不安定さから、教皇が安全のためにローマを離れがちになり、1243年にヴィテルボは教皇都市となります。
最初に住んだ教皇アレクサンデル4世を含め、5人の教皇がヴィテルボに住みました。
ローマ教皇が選ばれたのは意外と最近のことですが、1教皇選出はシスティーナ礼拝堂を閉め切って投票されることは知られています。コンクラーベと言われるその教皇選挙の投票の語源が、このヴィテルボにあります。
その名も教皇の館と呼ばれるPalazzo dei Papiは13世紀に教皇クレメンス4世が在任中の殆どの期間をここに住み、自ら教皇の館と呼んだことに由来します。
教皇クレメンス4世亡き後の教皇選出が何百日もかかり、鍵をかけて選出が続きました。そのときのラテン語で鍵をかけてのcum claviの状態ががコンクラーヴェ、conclaveの語源といわれています。ヴィテルボでは5回、教皇選挙コンクラーベが行われました。
また、カンタベリーからローマを目指す巡礼者の道、フランチジェーナ街道も近くを通り、サン・ペッレグリーノ地区には巡礼者向けの宿もあります。
中世の街並の他に、ちょっと足を運んで法王の温泉と呼ばれる、宿泊施設つきの温泉や古のローマ兵も身体を癒したという露天温泉もヴィテルボの魅力です。
街のシンボルは獅子。街中のあちこちで獅子に出会います。
ローマからはオスティエンセからでているFR3線で所要時間1.5〜2時間 およそ1時間ごとにでています。ローカル線で2等席のみ。
運賃は5ユーロ2。Trastevere/トラステヴェレ駅も通ります。Valle Aurelia/ヴァッレ・アウレリア駅でメトロA線のAurelia/アウレリア駅ともつながっています。こちらは途中車窓からブラッチャーノ湖を眺めることもできます。
また、メトロA線のフラミニオ駅から通称ローマ北線がでています3が、こちらは2.5〜3時間で、本数も少ないです。Viterbo Porta Fiorentina駅に着きます。こちらはローマ市営の交通ATACの近郊扱いとなりヴィテルボはDゾーンに属します。4
- 2013年にフランシスコ法王が選ばれたときの事ですが、2025年も教皇選挙がありました。 ↩︎
- 2013年現在。2025年は5.1ユーロ~ ↩︎
- 2025年現在はSaxa Rubraでバスに乗り換えて Viterbo Porta Fiorentina駅へ到着 ↩︎
- 2013年現在 ↩︎
壁に囲まれた街にはポルタ・ロマーナとポルタ・フィオレンティーナがあります。それぞれローマ、フィレンツェへ続く道、カッシア街道となっています。そして鉄道駅もローマからFR3線はヴィテルボ ポルタ・ロマーナ駅へ、もう一本のローカル線はヴィテルボ ポルタ・フィオレンティーナ駅となっています。







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