下から見上げると上るかどうか考えてしまいそうな階段、サンタ・マリア・アラチェーリ教会に続くその階段は
坂の下から上れば124段、坂を上れば2段省略できて122段。どちらにしろ、手すりもなく、踊り場も1つしかないこの急峻な階段はアラチェーリの階段と呼ばれている。
場所柄とその急峻な段から演説の舞台としても使われたとか。
その中でも一番有名なのは、中世に古代ローマの思想を取り戻そうとしたコーラ・ディ・リエンツォの演説。はじめは人々も興味深く耳を傾けていたものの、最後には狂人扱いされてしまった人。
このコーラ・ディ・リエンツォの家とされているのが、この階段の下の道を真実の口方面にあるいていくとまだ残っているが、その家が実際に彼のものであったのかどうか、その真実のほどは定かでない。
中世の出来事の舞台になっているくらいなので、その完成は1348年までさかのぼる。
1350年の大聖年、ジュビレオに向けてつくられたという説がある。
17世紀に入ると、外国からの旅行者がこの階段で寝込み、
上に住んでいた貴族が樽を転がして驚かせたとか。
実際に下から見上げると感じると思うが、もし上から樽が転がってきたら・・・
そのターゲットの寝転んでいた人々ではなく、通りの反対の人にも流れ弾ならぬ、流れ樽がぶつかること間違いなし。
よほどの健脚でないとすんなりとは上ることはできない階段だが、
その上で待っている風景と、サンタ・マリア・アラチェリ教会の中の
美しいフレスコがを拝みに頑張る価値あり。
手すりもないので、ちょっと自信のない人は、
となりのローマの中心、カンピドーリオ広場に続く、
ミケランジェロによる石段、コルドナータを上っていくことをおすすめ。
カンピドーリオ広場の裏からの階段でサンタ・マリア・アラチェリ教会の
脇に出ることができる。
上らなくとも階段のひなたぼっこも気持ちがよい。
■ギャラリー
■アラチェーリの階段
Piazza Aracoeli
ヴェネツィア広場の近く
バス40番、64番、トラム8番などいろいろ
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