神殿が教会になった、サン・ニコラ・イン・カルチェレ教会

カルチェレはイタリア語で牢獄。穏やかな名前ではありませんが、中世に牢獄として使われていたことからこの名前がついています。
この界隈は古代ローマ時代は野菜市場があり、古代ローマの中心部とテヴェレを結ぶ通りや、ユピテルやヤヌスの神殿がありました。このサン・ニコラ・イン・カルチェレ教会はその神殿の遺構をキリスト教会にしたものです。

外壁に柱が塗りこめられているのが見てわかります。教会の内部からも塗りこめられた柱を見ることができます。

教会内部の身廊と側廊をわけ隔てる柱も、古代ローマ時代の遺跡を再利用しているのですが、列柱の種類がふぞろいなところが、中世ローマの財政難を物語っています。

その後、教会は1500年代に再構築されることになりますが、鐘楼は中世に建てられたものが今日までそのまま残っています。

この教会の脇のマルチェッロ劇場跡に居を構えたオルシーニ家の人びとがすぐにこの教会に入ることができるようにつくった扉が東側に残っています。

希望すれば地下の遺跡も見学可能。

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サン・ニコラ・イン・カルチェレ教会 聖ニコラウスの牢獄教会
San Nicola in Carcere

Via del Teatreo di Marcello, 46 Roma

 

 

神殿が教会になった、サン・ニコラ・イン・カルチェレ教会