ユノーの井戸の上に建てられたとされる、ローマでは古い初期キリスト教建築のひとつです。
現在の表の姿は12世紀に正面のポルティコ(柱廊)とロマネスクの鐘楼が増築されたものです。内部はバロックの礼拝堂に置き換えられ、その後も取壊されたので、時代・様式のカテゴリーをわけるのはナンセンスですが、表の姿からロマネスクとしておきます。
正面のポルティコは12世紀の増築ですが、柱自体は古代ローマ古代のものでリサイクルされたものです。
柱頭は中世のものだそうです。
内部は1850年代に全体的につくりかえられ、初期キリスト教建築の典型であるバジリカ様式が取り払われ、もとの側廊はバロックの礼拝堂に置き換えられました。
ベルニーニによるフォンセカ礼拝堂とグイド・レニの磔刑は見逃せません。
フランスの画家、ニコラス・プサンの墓はここにあります。
教会入り口の右の壁には1870年10月27日にテベレ川が氾濫したときの水位が記されています。
どれほどの水がローマの街に流れ込んだか計り知れません。
地下には古代ローマ遺跡が眠っています。
月初めの日曜日には地下遺跡のツアーを実施しています。
■ サン・ロレンツォ・イン・ルチーナ教会
San Lorenzo Iin Lucina
Via in Lucina, 16A Roma
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初投稿日: 2010年5月30日