ネルヴィのパラッツォ・デッロ・スポルト

宇宙から降り立ったような体育館、パラッツォ・デッロ・スポルト。ピエルルイージ・ネルヴィ設計の体育館。

近代建築史に登場する作品。

1960年のローマ・オリンピックにむけて建設されたもののひとつ。360度をギャラリーに囲まれた形式の平面は直径約100メートルの正円となっている。

円形というのは古代ローマ時代からの競技場の建築で、いわば「覆われた円形競技場」。

プレファブ構法が採用されている。

隣の敷地は当時のオリンピック選手村。

現在は賃貸アパートや、B&Bになっている。

スタンダードなイタリアのアパルタメントより小ぶりなつくりである。

通り名に世界中の名前がついているので、歩いているとちょっとした世界一周旅行をしている気分。

今日も現役で、スポーツだけではなくイベントも行われる。

近くに2004年オープンしたレンゾ・ピアノの音楽ホール、Auditorium Parco della musicaと

2010年にオープンした、ザハ・ハディドのMAXXIこと国立21世紀美術館があるので、

この辺りは近代・現代建築巡りを楽しむことができる。


 ■ Pallazo dello Sporto da Pier Luigi Nervi

■ パラッツォ・デッロ・スポルト(パラツェット)-ピエルルイジ・ネルヴィ設計

Piazza Appolodoro, Roma

メトロA線 Flaminio(フラミニオ)駅 から2番のバスPiazza ManziniでApollodoro(アポッロドーロ)停車場下車

もしくはバスMで終点のレンゾ・ピアノの音楽ホール、Parco della Musucaに行くと、ホールの正面から見える。

※この記事の内容は掲載時のものであり、現在と異なる場合があります。
初投稿日: 2010年6月1日

ローマをお散歩編集人

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