モンティチェッリの聖マリア教会

よく通る界隈ですがこの教会の中に入ったのはつい最近のことです。

トラム8番が通るアレヌーラ通りから一本入った小径が入り組む界隈にある聖マリア教会はその敷地の成り立ちから小さな山、モンティチェッリの聖マリア教会と呼ばれています。
またアレヌーラ通りに近いことからかつてはアレヌーラの聖マリア教会と呼ばれていたこともありました。

小径に面しているので空を仰ぎ見ないとロマネスク様式の鐘楼も見落としそうです。
教会のファサードも大きくはないのですがシンプルなバロック様式のファサードです。
中に入ると手入れが行き届いたきれいな内部の印象です。

薄暗い教会内部を回ると美しい調度品やフレスコ画、モザイクがあることに気づきます。

内部に掲げてある教会の歴を見ると由緒ある教会であることがわかります。

教会の成り立ち

教会の起源は古く、4世紀から8世紀頃にさかのぼります。

廃墟のがれきが積み重なり、小さな山のようになっていたことから、モンテチェッリ(小さな山)の聖マリア教会と呼ばれることになりました。
11世紀にはパレルモの殉教者や司祭などの亡骸を移送。その後、教皇により修復、改修が行われてきました。
1700年代には現在のバロック様式のファサードが教皇クレメンス11世のために作られました。
ボッロミーニのモデュールを基本にシンプル化された美しいファサードです。

ファサードが描かれている19世紀終わりの絵画はこちら

1908年までは教区教会でしたが、現在ではキリスト教教理司祭会の教会となっています。

ブッサまたはデ・ビュクシス家の血を引く創設者聖セザール・ド・ビュスの聖遺体が1839年にアヴィニョンからそこに運ばれ、今日でもの墓がある由縁でしょうか。

角の鐘楼は中世ロマネスク様式のもので、鐘も再鋳造される歴史を経て、一番下の鐘が一番古い物とされています。

いつも閉まっている教会が開いているときに入ってみると、美しい物に出会えるうれしさがあります。
小さな教会ですが、長い時間をかけて修復、改修を繰り返し、大切にされてきたことが感じられます。

モンティチェッリの聖マリア教会
Ciesa di Santa Maria in Monticelli

Via di S. Maria in Monticelli, 29, 00186 Roma

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モンテチェッリの聖マリア教会