サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

ピエトロ

市民の憩いの広場、ポポロ広場に面する教会ですが、外観は、その教会の名前より通称の方が名が知られている双子の教会より目立ちません。しかしその中は美術館のように見ごたえのある教会です。
教会の身廊は色彩も少なくいたって簡素な感じです。
ルネサンス期の特徴ともいえます。

 

現在の教会はルネサンス期の1472年、教皇シクトゥス4世デッラ・ローヴェレの命によって建てられました。
ルネサンス初期の教会の一つです。

またローマの教会としては珍しいステンドグラスを見ることができます。
ローマで最初のステンドグラスです。

ルネサンス期のピントゥリッキオ、ラッファエッロ、バロック期のベルニーニ、カラヴァッジョを拝むことができます。

中世に同じ場所に、教皇パスカル2世の下造られているのですが、皇帝ネロの一族の墓の上に造ったことで、
ネロの亡霊がさまよっているという噂が立っていました。
悪名高かった皇帝ネロはローマ帝国が滅びた後も人びとを恐れさせていたようです。

入ってすぐ右のデッラ・ローヴェレ家の礼拝堂はピントゥリッキオ、正面の祭壇に向かって左のチェラージ家の礼拝堂にはカラヴァッジョの「ピエトロの逆磔刑」と「パウロの改宗」、そしてアンニバーレ・カラッチの「聖母被昇天」を見ることができます。
踵を返して入口に向かうと入口脇にキージ家の礼拝堂があります。
ラッファエッロがデザインしたものです。祭壇の背後の絵はデバスティアーノ・デル・ピオンボ、彫刻はベルニーニとロレンツェットのものといわれています。
また、床の盾で身を守る跪いた骸骨のモザイクはなかなかおもしろいものです。

キージ家の礼拝堂に捧げられていたバラ一輪。
粋な計らいをする人がいるものです。
この日、バブイーノ通りのバブイーノもバラをもらっていましたっけ。


■ サンタ・マリア・デル・ポポロ教会
Santa Marioa del Popolo

Piazza del Popolo,12 – Roma

メトロA線 Flaminio(フラミニオ)駅
バス 117番 他

双子の教会とは反対側のフラミニア門の近くです。

 

※この記事の内容は掲載時のものであり、現在と異なる場合があります。

ローマをお散歩編集人

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