12世紀にこの教会が建てられた当時は、ここはまだローマの北端のはずれでしかありませんでした。
現在ではローマの観光名所、お買い物スポットでにぎわうこの界隈ですが、16世紀にヨーロッパからの巡礼者が増え始めた頃にようやく、リペッタ通り、コルソ通り、バブイーノ通りに囲まれる、通称三角地帯もしくは三叉路と呼ばれるように栄え始めました。
話は教会に戻り、17世紀には鐘楼とクーポラがボッロミーニにより改築されたことで、今日でもローマを訪れる旅人が足を運びます。
そしてもうひとつここに人々が足を運ぶ大きな理由があります。
それは、サンタンジェロ城の正面にかかるサンタンジェロ橋のベルニーニの天使のオリジナルがここにあるからです。
教皇クレメンス9世が、雨ざらしにしておくにはあまりにも美しすぎる天使であるということで、オリジナルを教会に置くようになったと言い伝えられています。
ベルニーニとボッロミーニはその真偽の程はともかくとして、ライバル同士としていろいろ著述されていますが、ここの教会ではどうやらうまく共存しているようです。
■ サンタンドレア・フラッテ教会
Chiesa di Sant’Andrea delle Fratte
Via Sant’Andrea delle Fratte, 1 Roma
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初投稿日: 2010年3月8日