崩れてしまった顔とややうなだれた感じが切ない雰囲気をかもし出す、ローマの街の有名人のひとり、ファッキーノ。ファッキーノは運び屋さんの意味で、言い伝えではアボンディオ・リッツォという名のルネッサンス時代の運び屋さんのであるとか、なんとマルティン・ルター説まであります。
当時の運び屋さんで名前がフルネームで今日まで伝わり像にまでなっているのだから、なにか秘話があるのではと思うのですが、明らかになっている事はなにもありません。
一部では酔っぱらったアボンディオの罰として大好きなワインのかわりに水を持たされているとかいう説がありますが、あまり定着はしていません。
でもこのうなだれ加減、しゅんと気落ちしている雰囲気が伝わってきます。
像のデザインは1587年ヤコポ・ダ・コンテのデザインによるもの。
ちなみに水はヴィルゴ水道から引いており、トレヴィの泉のそれと同じです。
また、ローマの都市計画が盛んであった頃の1874年に、同じ建物のコルソ通りに面していたのが移設されて今のVia Lata通りに面するようになりました。
そして忘れてはならないのは、ファッキーノローマの街角にいる「話す像、もの言う像」衆の一人であることです。
ものいう像ではないですが、近くのピエ・ディ・マルモと同じ頃にきれいに修復され、それと同時に囲われてしまいました。



ファッキーノ 物言う像
Facchino
Via Lata, Roma
コルソ通りとラータ通りがぶつかる一角にいます。