私設の美術館としてはかなり大きく、そしてその一族の審美眼はすばらしいです。展示してある絵画や彫刻も重要なものが並んでいますが、またその建物の内装、家具調度が見事です。また、長いこと公開していなかったため、保存状態もよく1600年代の貴族の住まいの雰囲気を身近に感じることができます。
この美術館はドーリア・パンフィーリ家の個人のコレクションです。
入場料でオーディオガイド(日本語はありません)を借りることができますが、ドーリア・パンフィーリ家の当代の案内で、ようこそ私の家へ、のように案内されるのが招かれて説明していただいているようでおもしろいです。
ラッファエッロからカラヴァッジョと、見事なコレクションは枚挙にいとまがありませんが、見逃せないのは、パンフィーリ家出身の教皇イノケンティウス10世をベラスケスが描いたものでしょう。
このベラスケスの絵画は、後にフランシス・ベーコンがこの絵画から描いたことでも知られています。
教皇イノケンティウス10世はドーリア・パンフィーリ家が最も栄えた時代でもあります。建物内にも教皇が祈りを捧げる部屋があります。
また、ベラスケスと同じ部屋にベルニーニによる、教皇イノケンティウス10世の胸像があります。
像が一部損壊してしまったために、ベルニーニが同じものを一週間で仕上げたという、像を前にしてみると、想像もできない逸話があります。
この建物はイベントを開くことも可能です。このような贅を尽くした空間でのイベントは、興味深いですね。
ミュージアムショップは入口と館内の2カ所にありますが、入口のミュージアムショップは重厚な木調の内装で、ゆったりとした雰囲気です。
往来の多いコルソ通りの自動車の排気ガスですすけてしまっている建物の外観イメージとは全く異なり、美しく豪奢な空間です。




ドーリア・パンフィーリ美術館
Galleria Doria Pamphiji
Via del Corso 305 Roma
開館時間 9:00-19:00
入館料 11ユーロ(数があ限りオーディオガイド含む:日本語はなし)
閉館日:12/25,1/1, 復活祭(年によって異なる)
内部の写真撮影は、別途4ユーロの支払いで商用以外の撮影が許可されています。
三脚は使用不可。
ヴェネツィア広場より徒歩3分
オフィシャルホームページ:http://www.dopart.it/roma/
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