ローマの代表的なシンボルのひとつ、コロッセオ。ルネサンス、ゴシック期のパラッツォのための石切り場となったにもかかわらず、まだまだ大きく残っている遺跡。コロッセオというのは実は通称で、フラヴィウスの円形競技場(Anfiteatro Flavio)というのが正式名称です。
それでもその通称からコロシアムという言葉が生まれているのですから、正式名称がなんであれ、コロッセオはコロッセオ。
コロッセオというのは見てその通りの「巨大なもの」という意味で、コロッセオ自体が大きいというより、
ネロが皇帝時代に自分の巨像をこのコロッセオの前に建てたという説が有力です。
建立した皇帝はヴェスパシアヌスですが、その家名をとって「フラウィウスの円形競技場」です。
完成までに本人は生きていなかったので、息子のティトゥスがオープンさせます。
紀元 80年に建てられたこの競技場は収容人数55,000人といいますから今日の競技場並みです。
古代ローマ時代の円形競技場はローマ以外の都市の、かつて属州であった他の国にも残っていますが 、
コロッセオほどの遺構は残っていませんし、大きさもコロッセオが一番大きいです。
広角レンズにかかるとすっぽり納まってしまうけれど、道路の反対側で見上げても
果てしなく大きいコロッセオ。
実は血なまぐさい場所でもあるのですが、このまま、円形競技場の遺跡として残っていて欲しいです。
キリスト教殉教者のための教会計画などいろいろ過去にはあったそうですが、
ただ見上げて入って、ここで剣闘士と猛獣が命がけで闘っていたんだなぁ、
とそれぞれが遠い過去の風景を思い描く場所で十分な気がします。
現在の姿は、地震とルネサンス、バロック期の教会建築もしくは宮殿建築のために
石が切り出されたことによります。
考古学が盛んになるまで、過去の栄光は見る影もなくなっていたフォロ・ロマーノやコロッセオは
牛が放牧されたCampo Vaccino(牛の原っぱ)と呼ばれていました。
コロッセオには一冊の植物図鑑が出来上がるほどの種類の植物が生えていたといいます。
夜景も素敵なコロッセオ。
近々、大改修に入るので中に入りたい方はお早めに。
外もおそらく足場だらけになるでしょう。
■ フラヴィウス円形競技場 コロッセオ
Anfiteatro Flaviano cosiddetto Colosseo
Piazza del Colosseo – 00184 Roma
メトロB線 Colosseo駅下車
バス 87番などいろいろ
開館時間
8:30 – 16:30 (1/2-2/15)
8:30 – 17:00 (2/16-3-15)
8:30 – 17:30 (3/16-3月最終土曜日)
8:30 – 19:15 (3月最終日曜-8/31)
8:30 -19:00 (9/1-9/30)
8:30 – 18:30 (10/1-10月最終土曜日)
8:30 – 16:30 (10月最終日曜日-12/31)
休館日 1/1、12/25
入場料
フォロ・ロマーノとパラティーノの丘との共通券で12ユーロ(2日間有効、コロッセオでの展覧会も含む)
予約をする場合は+1.5ユーロ
ROMA PASSの特典に含まれます。
ARCHEOLOGIA CARDも有効です。
※この記事の内容は掲載時のものであり、現在と異なる場合があります。
おまけ
コロッセオからフォロ・ロマーノとは反対側方面に伸びる、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ通りがあります。
そこからスナップショット。
ケーキを食べる感じで、コロッセオを食べてしまいましょう。