icone-giovanni-oleo古代ローマの街道の脇に突如として現れるルネサンス様式の美しい礼拝堂。見た目の美しさとは裏腹に
残酷な名前を戴いている。サン・ジョヴァンニ・イン・オレオ礼拝堂。「油の中のヨハネ」。
背後にはローマを囲うアウレリアヌスの壁とラティーナ門がひかえ、不思議な雰囲気である。
教会の名前のOleoはラテン語で油をさす。名前の通り、かつてここで使徒ヨハネが
煮えたぎる油の入った大釜につけられ迫害を受けた場所と言われている。
それでも奇跡的に無傷であったというヨハネはその後、福音書を書いたとされる。
キリスト教徒やユダヤ人を多く迫害した皇帝ドミティアヌスの時代である。
 
使徒ヨハネと福音記者ヨハネは同じ人物ではないという説もあるので、
それぞれの歴史の捉え方で。

均整のとれた八角形の教会は、ブラマンテまたはアントニオ・ダ・サンガッロ・イル・ジョーヴァネのデザインとされ、
1657年にボッロミニーニがフリーズと屋根を修復している。
バラとヤシの葉のデザインのフリーズはテラコッタでできており、
大理石などの豪奢な素材よりレンガなど質素な素材を使いこなしたボッロミーニらしさがでている。
また、十字架をささえるせり立つ葉とバラのデザインの土台もいかにもボッロミーニらしい。
教会は通常は閉まっているが、鉄の格子から内部を少しのぞく事はできる。
見学についてはポルタ・ディ・ラティーナ通りをはさんだサン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ聖堂に問い合わせたい。
こちらの聖堂の前回廊には、実物大のボッロミーニデザインの十字架の土台がおいてあり、間近で見る事ができる。
どちらがオリジナルであるかは残念ながらここでは不明。

ルネサンスとバロックの小さな競演を古代ローマを背景に楽しみたい。
とても小さな建物ではあるけれど、礼拝堂ではなくて教会としての位置づけである。

通り向かいのサン・ジョヴァンニ・ア・ポルタ・ラティーナ聖堂の中世のフレスコ画、
同じ通りをチルコ・マッシモ方面に歩いたサン・チェザリオ教会の見事なコズマーティ様式のモザイクとあわせて
お散歩コースとしておすすめ。




■ギャラリー(クリックで拡大)

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■サン・ジョヴァンニ・イン・オレオ教会
Oratorio di San Giovanni in Oleo

Via di Porta Latina
ラティーナ通り
Porta Latina ラティーナ門のアウレリアヌスの壁の内側すぐ脇

200px-metropolitana_di_roma.svg強いて最寄り駅とするならB線のチルコマッシモ(Circo Massimo)駅。
A線のサン・ジョヴァンニ(SanGivanni)駅からも徒歩は同じくらいだが、チルコマッシモの方が道がわかりやすい。

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